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荻上 東京にいるぼくらが口出しできる部分は非常に小さいですしね。たとえば、海外に行って、Uターン愛国者になって帰ってくる人っているじゃないですか。よく聞くのが、海外に留学したら周りから日本についての政治的な質問を投げかけられて、「外国の人はこんなに国家のことを考えている」と思うとかっていう。
ただ、これって典型的なディスコミュニケーションだと思うんですよ。そもそも外国の人も日本についてあまり知らない、漠然としたイメージしかないから、会話のネタとして「国」とか「文化」とかって話題を振ってくる。日本人だって外国人に、似たようなことをしているわけですよ。しかも、旅行や留学で「出会える」範囲の相手に触れて、そこでの空気を「海外ではこうなんだ」と思い、「他者と出会って変わった」と思い込んだりする。
それとはコインの裏表のようで、「他者に触れなければいけない」と思っている人たちが、じつは鏡に写った自分自身のような相手としかコミュニケーションできないという構図は、避けようがないのではないかという話ですよね。"